VMのバックアップ

VM:バーチャルマシン(仮想マシン)をバックアップするには、バックアップしたい仮想マシンを選択し、Backup項目でBackup nowボタンを押下することでバックアップできる。


Backup now ボタンを押下すると、バックアップデータの保管場所やバックアップモード、圧縮アルゴリズムの選択、通知設定などの設定画面が出てくる。
modeには スナップショット、サスペンド、ストップの3種類があり、それぞれの機能は以下の通り。仮想マシンを停止せずバックアップするか、停止してバックアップするかの選択項目である。
snapshot:
仮想マシンを稼働させたままバックアップする方法

suspend:
仮想マシンを一時停止しバックアップする方法
一時的に停止するが停止中はメモリやディスクの情報は保持されたままとなるため、バックアップ処理を終えたら継続して稼働する。

stop:
仮想マシンを完全に停止してバックアップする方法
完全に仮想マシンを停止するので、suspendよりも長い時間サービスが停止する。


compressionには複数の圧縮アルゴリズムを選択できるが、ZSTDで問題ない。仮想マシンを完全停止することで、より安全に確実なバックアップができるのでmodeはstopとした。
選択を終えたら右下のBackupボタンを押下すると処理が開始される。


バックアップ処理が終了するまでしばらく待機する。処理が完了するとメッセージ欄が以下の通りになり、これらのメッセージをログファイルとしてダウンロードすることができる。Downloadボタンを押下するとテキストデータでログを取得できる。
TASK OK のメッセージが出たら完了。バックアップデータはProxmox VEの /var/lib/vz/dump ディレクトリ下に保管されるのでSFTPでバックアップデータを取得することもできる。


バックアップ処理が完了すると、空欄だった部分に仮想マシンID 100 のバックアップデータとして、一覧表示される。

バックアップファイルを取得

バックアップファイルを別のPC、Windows 11にコピーする。
バックアップファイルはProxmoxVEの物理マシンに保管されているため、物理マシンに異常が起きた場合、仮想マシンやバックアップファイル自体消失してしまう可能性がある。そのためバックアップファイルは別のストレージやPCに保管しておく必要がある。Windowsでバックアップファイルを取得するには、パワーシェルを使用する。

Windows 11 のパワーシェルでバックアップデータのコピー(取得)
コマンド 内容
> mkdir backup パワーシェルを起動したら、バックアップデータを保管するフォルダを作成する。
> cd backup 作成したフォルダへ移動する。
> sftp root@ProxmoxVEのIPアドレス sftpコマンドでProxmoxVEと接続する。パスワードを問われるので、ProxmoxVEのルートユーザのパスワードを入力する。
sftp> cd /var/lib/vz/dump/ バックアップデータが保管されているディレクトリに移動する。
sftp> ls -l
実行結果:
-rw-****** ? root root 2115 May 6 14:31 vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.log
-rw-****** ? root root 2785028253 May 6 14:31 vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.vma.zst
-rw-****** ? root root 9 May 6 14:31 vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.vma.zst.notes
lsコマンドでバックアップデータの有無を確認する。
sftp> get vzdump-qemu-100* sftpのgetコマンドで、VM100のバックアップに関するログ(.log)、バックアップデータ(.zst)、notesを取得する。ワイルドカードを使用。
正常に取得できると次のようなメッセージが表示される。
vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.log 100% 2115 229.5KB/s
vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.vma.zst 100% 2656MB 72.1MB/s
vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.vma.zst.notes 100% 0.9KB/s
sftp> exit ダウンロードを終えたらsftp接続を終了する。
> ls 3つのファイルがダウンロードできているか確認する。

lsコマンドの実行結果:

Directory: C:\Users\Windowsユーザ名\backup

Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
-a--- 2025/05/06 (火) 14:38 2115 vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.log
-a--- 2025/05/06 (火) 14:38 2785028253 vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.vma.zst
-a--- 2025/05/06 (火) 14:38 9 vzdump-qemu-100-2025_05_06-14_31_18.vma.zst.notes